日記

2021-11-04 15:48:00

素人店主の開店奮闘記 第4回 開業費

今回は、開業準備費用と毎月の経費について。

本題に入る前に、複数のお客様から質問がありました、

なぜ三鷹で開業したかをお話しします。

一番の理由は自宅の近くだからですが・・・。

 

開業を思い立ったとき真っ先に考えたのは、

三鷹から中央線で1015分程度の中野でした。

なんと言ってもブロードウェイがありますから。

しかし、レント(賃借料)が高すぎてすぐに断念。

次の候補は高円寺。

魅力的な同業者様も複数存在します。

意外なことに、都心により近いのにレントは三鷹と同等で

以前から好きな街だったので大変惹かれました。

ただ、ふと店を持つことの意義を考えたときに、

地元(武蔵野市・三鷹市)への貢献という意識が

頭をよぎり、結局は徒歩圏である吉祥寺と三鷹の

二択という線で落ち着きました。

月額レントは吉祥寺も三鷹も大差ありませんでしたが、

吉祥寺は総じて保証金が高額(60100万円)

だったため、最終的に現在の店舗に落ち着きました。

お客様の「なぜ三鷹に?」という質問には、暗に「三鷹では

集客は難しいでしょう」という意味が含まれていると思います。

正にその通りです。

しかし取扱商品が一般向けではない分、むしろお客様の

購買率は(今のところ)かなり高いように感じています。

つまり、忙しくない割に、思いのほか売上がある状況。

高円寺でも売上はあまり変わらなかったように思います。

もっとも最初は物珍しさもあるでしょうから、この先

かなり苦戦するであろうことは明らかですけれど。

 

本題に入ります。

開業準備に費やした金額は、約110万円でした。

32万円がレント関連、残りが什器・備品・各種契約料・

資格取得費・商品輸送費などです。

レントには敷金、礼金、仲介料が含まれますので、

運が良ければ敷金の一部は戻るかも知れません。

因みに、店舗面積は押入れと流しを含めて17㎡。

他の費用(78万円)には、下記のものが含まれます。

・前面がガラスのLEDライト付きディスプレイラック4台。

・多目的棚6台、メッシュボード4台、スチール棚1台、

 カラーボックス3個、スチール/木製ワゴン3個。

・フックボード6枚、フック50本。

・机1台、椅子2脚。

・パソコン、ルーター、iPad、プリンター、レジスター、

固定電話機。

・ハンドラベラー、店名スタンプ、印鑑、看板、ポスター、

名刺200枚。

・値札、レジ袋、コピー用紙などの消耗品。

・文房具などの備品。

・ガス、インターネット/電話開設費用。

・古物商許可取得費用、古物プレートと台帳。

・ホームページ開設費用。

・商品搬入(輸送)費。

・個人事業主損害保険料。

 

次に、月次経費は約910万円になります。

月次経費に含まれるのは、主にレント、光熱費、通信費、

消耗品代、輸送・交通費です。

現在の店舗賃借契約は3年間で、例え商売が苦しくとも

契約満了までは続ける覚悟で始めました。

つまり、総費用は110万円+10万円×36か月となり

3年間合計470万円≒500万円と想定しています。

ただし、この費用にはイベント出店費を含んでおりません。

関連イベントには年6回ほど出店する計画ですので、

3年で50万円、合計550万円と見込んでいます。

 

ここまで読まれた方は、一番肝心な「人件費」が含まれて

いない点に気づかれたことでしょう。

当店は店主一人で営んでおり、生計を立てるための

事業ではないため、人件費は意識しておりません。

仮に月額人件費を20万円とすれば、

更に720万円の費用が発生します。

上述の550万円と合計すると、3年で1270万円。

販売利益を50%、販売率を仕入商品の70%とすると、

月平均で100万円以上の仕入れが必要になります。

リスクの大きさはご理解いただけるのではないでしょうか?

そもそも、この業界(玩具の古物商)において、相場の

50%程度で毎月100万円の中古玩具を仕入れるのは、

個人の力では極めて難しいと思います。

(注:一般論として、リサイクルショップの仕入れ値は

売価の3060%でないと成り立ちません)

作家さんなどが副業で営むのであればまだしも、

生計のための商売としては、とてもお勧めできません。

 

私自身は開業前、不要になったコレクションは、

イーベイで販売していました。

多少はヤフオクでも売りましたが、コレクションの内容から

総じてイーベイの方が高額落札されたからです。

経験則として申し上げたいのは、中古玩具で生計費の

捻出をお考えならば、店を持つことは一切考えず、

ネットオークションやネットフリマに専念すべきという点。

経費が殆ど不要な上に、最終的に大半の商品を

売却できるからです。

 

では、開業したことを後悔しているかと言えば、

そのようなことは一切ありません。

同じ趣味を持つ方々、そして大半は自分よりも若い世代の

方々との交流が持てる充実感は、お金では買えません。

この先商品が売れなくても、多少でもお客様が店に

足を運んでくださり、加えて自分が健康でいられる限り、

この商売は続けるつもりです。

 

開店奮闘記は今回で一旦終了し、次回以降は特に

テーマを定めずに、日記は続けたいと考えています。

(日記というほど頻度が高くありませんが・・・・・)

現時点で想定しているのは、2か月程度の実績として

熱かった商品をお伝えしようと思います。

一般の方には、さっぱり分からない内容になると

思われますが(専門用語も登場するので)・・・。

もっとも、2か月待たずとも既に結果は見えております。