日記
素人店主の開店奮闘記 第4回 開業費
今回は、開業準備費用と毎月の経費について。
本題に入る前に、複数のお客様から質問がありました、
なぜ三鷹で開業したかをお話しします。
一番の理由は自宅の近くだからですが・・・。
開業を思い立ったとき真っ先に考えたのは、
三鷹から中央線で10~15分程度の中野でした。
なんと言ってもブロードウェイがありますから。
しかし、レント(賃借料)が高すぎてすぐに断念。
次の候補は高円寺。
魅力的な同業者様も複数存在します。
意外なことに、都心により近いのにレントは三鷹と同等で
以前から好きな街だったので大変惹かれました。
ただ、ふと店を持つことの意義を考えたときに、
地元(武蔵野市・三鷹市)への貢献という意識が
頭をよぎり、結局は徒歩圏である吉祥寺と三鷹の
二択という線で落ち着きました。
月額レントは吉祥寺も三鷹も大差ありませんでしたが、
吉祥寺は総じて保証金が高額(60~100万円)
だったため、最終的に現在の店舗に落ち着きました。
お客様の「なぜ三鷹に?」という質問には、暗に「三鷹では
集客は難しいでしょう」という意味が含まれていると思います。
正にその通りです。
しかし取扱商品が一般向けではない分、むしろお客様の
購買率は(今のところ)かなり高いように感じています。
つまり、忙しくない割に、思いのほか売上がある状況。
高円寺でも売上はあまり変わらなかったように思います。
もっとも最初は物珍しさもあるでしょうから、この先
かなり苦戦するであろうことは明らかですけれど。
本題に入ります。
開業準備に費やした金額は、約110万円でした。
内32万円がレント関連、残りが什器・備品・各種契約料・
資格取得費・商品輸送費などです。
レントには敷金、礼金、仲介料が含まれますので、
運が良ければ敷金の一部は戻るかも知れません。
因みに、店舗面積は押入れと流しを含めて17㎡。
他の費用(78万円)には、下記のものが含まれます。
・前面がガラスのLEDライト付きディスプレイラック4台。
・多目的棚6台、メッシュボード4台、スチール棚1台、
カラーボックス3個、スチール/木製ワゴン3個。
・フックボード6枚、フック50本。
・机1台、椅子2脚。
・パソコン、ルーター、iPad、プリンター、レジスター、
固定電話機。
・ハンドラベラー、店名スタンプ、印鑑、看板、ポスター、
名刺200枚。
・値札、レジ袋、コピー用紙などの消耗品。
・文房具などの備品。
・ガス、インターネット/電話開設費用。
・古物商許可取得費用、古物プレートと台帳。
・ホームページ開設費用。
・商品搬入(輸送)費。
・個人事業主損害保険料。
次に、月次経費は約9~10万円になります。
月次経費に含まれるのは、主にレント、光熱費、通信費、
消耗品代、輸送・交通費です。
現在の店舗賃借契約は3年間で、例え商売が苦しくとも
契約満了までは続ける覚悟で始めました。
つまり、総費用は110万円+10万円×36か月となり
3年間合計470万円≒500万円と想定しています。
ただし、この費用にはイベント出店費を含んでおりません。
関連イベントには年6回ほど出店する計画ですので、
3年で50万円、合計550万円と見込んでいます。
ここまで読まれた方は、一番肝心な「人件費」が含まれて
いない点に気づかれたことでしょう。
当店は店主一人で営んでおり、生計を立てるための
事業ではないため、人件費は意識しておりません。
仮に月額人件費を20万円とすれば、
更に720万円の費用が発生します。
上述の550万円と合計すると、3年で1270万円。
販売利益を50%、販売率を仕入商品の70%とすると、
月平均で100万円以上の仕入れが必要になります。
リスクの大きさはご理解いただけるのではないでしょうか?
そもそも、この業界(玩具の古物商)において、相場の
50%程度で毎月100万円の中古玩具を仕入れるのは、
個人の力では極めて難しいと思います。
(注:一般論として、リサイクルショップの仕入れ値は
売価の30~60%でないと成り立ちません)
作家さんなどが副業で営むのであればまだしも、
生計のための商売としては、とてもお勧めできません。
私自身は開業前、不要になったコレクションは、
イーベイで販売していました。
多少はヤフオクでも売りましたが、コレクションの内容から
総じてイーベイの方が高額落札されたからです。
経験則として申し上げたいのは、中古玩具で生計費の
捻出をお考えならば、店を持つことは一切考えず、
ネットオークションやネットフリマに専念すべきという点。
経費が殆ど不要な上に、最終的に大半の商品を
売却できるからです。
では、開業したことを後悔しているかと言えば、
そのようなことは一切ありません。
同じ趣味を持つ方々、そして大半は自分よりも若い世代の
方々との交流が持てる充実感は、お金では買えません。
この先商品が売れなくても、多少でもお客様が店に
足を運んでくださり、加えて自分が健康でいられる限り、
この商売は続けるつもりです。
開店奮闘記は今回で一旦終了し、次回以降は特に
テーマを定めずに、日記は続けたいと考えています。
(日記というほど頻度が高くありませんが・・・・・)
現時点で想定しているのは、2か月程度の実績として
熱かった商品をお伝えしようと思います。
一般の方には、さっぱり分からない内容になると
思われますが(専門用語も登場するので)・・・。
もっとも、2か月待たずとも既に結果は見えております。