日記

2022-03-03 09:53:00

青色申告会に深謝

 

今回は確定申告のお話です。

興味がない方には至って退屈な話題ですので、

いつも通り読み飛ばしてください。

加えて、税法については全くの素人でありますので、

内容に誤りがあるかも知れません。

不完全な内容を記述することを、お詫びしておきます。

 

生まれて初めての青色申告を終えました。

経理業務の経験も知識もないため、当初は税務署や

ネット上に無数に存在する会計事務所の助言だけでは

理解できないことが多く、不安もありました。

その不安を一掃してくれ、代理申告までしてくださったのが

青色申告会様でした。

いや~、本当に助かりました。

 

以前も毎年確定申告はしていましたが、開業前は

会社員だったため、大半は源泉徴収であって、

確定申告書は2時間程度で作業完了していました。

昨年からは個人事業主になったため、白色または

青色申告をすることになりました。

白色申告であれば従来の確定申告と大差ありませんが、

青色申告には魅力的なメリットがあります。

・特別控除がある(10万55万または65万円=後述)

・純損失の繰越控除がある

・事業専従者給与の必要経費算入額が大きい

 

以上の内、最後の事業専従者給与については、当店は

店主一人で回しているので恩恵はありません。

ただし、妻が事業専従者となれば年間168万円が

必要経費として参入できるようです。

白色申告の86万円よりも82万円も多いのです。

(間違っていたらごめんなさい。詳しくはネット上でご確認を)

 

特別控除については、

55万円の特別控除を受けるには、所得に係る取引を

 複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付。

65万円特別控除は、上記55万円の要件を満たし、

 仕訳帳と総勘定元帳を電子帳簿保存し、申告を

 e-Taxを使用して行う。

10万円特別控除は、簡易簿記で帳簿は現金出納帳、

 売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳といった

 経理の知識がない自分でも容易に記帳できるもの。

 

ところで、経理処理が楽な白色申告ではなく、

青色申告を選択した理由は上記2つのメリットではなく、

純損失の繰越控除があるためでした。

初年度は営業日数が3か月強しかなく、知名度ゼロの

当店は間違いなく赤字決算になると想定していました。

つまり、赤字分だけ翌年の控除額が増やせると

卑しい気持ちを抱いていたわけです。

(想定に反して、多くのお客様のご支援により、

初年度から赤字にはなりませんでしたが・・・)

 

尚、青色申告を行う場合は、

・申告する年の315日までに

・または事業開始が116日以後の場合は開始日から

2か月以内に

所轄の税務署に承認申請書を提出する必要があります。

私は開業届と同時に、10万円控除の青色申告承認申請を

提出しました。

また、青色事業専従者給与についても、青色申告承認

申請と同様の申請書を期日内に提出する必要があります。

 

ネット検索で事前の知識を得ていましたので、開業前から

青色申告をするための帳簿の記帳を開始しました。

帳簿は自らエクセルで作成。

ご参考までに、開業までに要した費用は、店舗賃借の

敷金や取得価額が10万円(要件を満たせば30万円)

以上の備品などごく一部を除き開業費となり、繰延資産として

経費ではなく一括減価償却の対象となります。

定額法ですと5年償却(と助言されましたが定かではなく)、

または任意の期間(初年度一括償却も可)の選択可能。

当店は3分の1ずつ、3年間で償却としました。

 

さて、ネット上の関連情報を参考に帳簿付けを開始した

ものの、自分がやっていることが正しいか自信がありません。

そこで、商工会議所の無料相談や税務署の無料講習に

参加したのですが、それでも不安は払拭されません。

間違った申告をして、後々面倒なこと(修正申告など)に

なるのが嫌でしたので、次に複数の税理士事務所を訪問。

どこも親切に対応してくださったのですが、税理士報酬の

話になると、ちょっと腰が引けてしまいました。

当店のような、吹けば飛ぶような弱小個人事業主にとって、

いくら経費算入できるとは言え、年間10万円を超える

税理士報酬はかなり厳しいものです。

初年度の所得税は赤字でゼロ、2年目以降が10万円

程度と想定していたので、それ以上の金額を払う意味が

どこにあるのかと自分勝手な論理を展開。

結局、税理士事務所に委託するのは断念しました。

 

不安な気持ちが消えないまま帳簿の記帳を続けましたが、

ある日、税務署から青色申告講習会のお知らせが

届きました。

早速申し込んだところ、講師を務められたのが、

青色申告会所属の先生でした。

この時初めて青色申告会の存在を知ることになりました。

講義内容は非常にわかりやすく、素人の質問にも

丁寧にお答えいただき、早速会員になることを決めたのです。

ただ、入会申込も予約が必要でした。

 

電話で入会の問い合わせをしたのは年明けで、確定申告

開始ひと月ほど前の繁忙期だったため、予約はひと月以上

先の216日になってしまいました。

ちなみに、当地区の会費は年間2万円です。

地域により会費に差があるのか分かりません。

 

予約が取れた日に事務所を訪問。

当日は単に入会申込だけと考えていたのですが、

その場で担当官が帳簿を丁寧にチェックしてくださり、

以前から抱いていた疑問もすべて解消されました。

同時に、次回予約を31日に入れてもらいました。

 

指摘された箇所を修正した帳簿と、必要な書類を

整えて、31日に再度事務所を訪問。

【注】私の場合、必要書類とは下記のもの

・帳簿一式

・所得税の青色申告承認申請書の控え

・医療費控除の明細書

・健康保険料納付証明書の写し

・生命保険料控除証明書の写し

 

予約は1620分でしたが、5分ほど前に着くと、

受付担当者から、時間が押していて50分ほど

待つことになると言われました。

文庫本を読みながら控室で待っていると、17時を

少し過ぎて名前を呼ばれました。

受付担当者の指示に従い建物の3階まで上がると、

12名ほどの係官が、会員の対応をなさっていました。

基本は係官ひとり対会員ひとりですが、会員側は

二人でも受け付けていただける様子です。

 

担当してくださった女性の係官はとても丁寧な対応で、

非常に好感が持てる方でした。

当方が提示した書類を参考に、係官は必要な情報を

次々とPCに入力していきます。

途中で当店の名称「スローラッツ」の謂れを尋ねられ

ましたが、オタクの世界の話なので一般の方には

説明が難しいと答えました。

微笑か苦笑か分かりませんが、頬を緩ませていました。

とにかく、終始気持ちよく1820分に

すべての作業が終わりました。

定刻を過ぎていたと思われますが、1時間以上も

対応してくださった係官には感謝しかありません。

尚、初めて青色申告を行う場合は、事業者登録が

必要とのこと。(知りませんでした・・・)

事業者登録も係官がその場で済ませてくださり、

登録番号もいただきました。

 

実はこの時まで、作成いただいた申告書を私自身が

後日税務署に提出するものと思い込んでいました。

ところが、青色申告会と連携している税理士が

代理提出してくださるとのことで、当店の確定申告は

この日で完了となりました。

有難いことこの上ありません。

 

最初に青色申告会を訪問した時は、当方は素人、

先方は専門家ということから、多少気後れしました。

しかし、どの係官もとても親切で丁寧な対応をして

くださるので安心です。

申告書作成の当日、後方では個人飲食店の店主

らしき気のいいおっちゃん(歳は私より若い)が

同様の作業をしていました。

係官とは既知の間柄だったようで、

係官「この前お願いした箇所、修正してないじゃない」

(係官はまったく嫌みのない親し気な口調で)

会員「そうだっけ。わっはっはっは・・・」

と、和気あいあいと作業を進めていました。

 

ちなみに、このおっちゃんは、青色申告会が提供する

会計ソフトを使って帳簿作成している様子でした。

この会計ソフトは、クラウド型ですと年間8,000円ほど、

ローカルで使用する場合は3,000円弱で提供して

いただけるようです。

ノートPCを持ち込めば、その場でインストールしてくれて、

初期セットアップまでしていただけるのだそうです。

加えて、会計ソフトへの入力方法も、何回でも

指導していただけるとのこと。

このソフトを使えば貸借対照表や、損益計算書も

自動作成できそうなので、青色申告の65万円控除の

恩恵を受けることができそうな気がします。

私自身の、今年の課題とすることにしました。

 

金銭的価値観は人それぞれですが、自分にとっては

年会費も会計ソフトも破格の安さだと実感しました。

それほど充実したサービスを提供していただけます。

確定申告の季節(年明けから315日の間)は

ひと月先でないと予約が取れないほど、利用者が多い

理由がよくわかりました。

私のように、経理の知識がなく、はじめて個人事業主と

なられる方のご参考になれば幸いです。