日記

2023-11-30 12:30:00

皮算用

今回は「自分が如何に目利きではないか」ということを

実感したお話です。

※単なる懐古の情で書いておりますので、はっきり申して

 何の役にも立たない、つまらない話に過ぎません。

 

ここ数年、転売または投資目的で玩具類を購入する方が

非常に多くなっているように感じます。

私とて販売目的ではない自身のコレクションとは別に、

将来の販売目的で購入した玩具も多々ありますので、

決して上述の風潮を批判できる立場ではありません。

50年近くに及ぶ自分の購入歴を振り返ってみますと、

改めてセンスのなさを実感すると同時に、思わぬものの価値が

上がり想定外の喜びに出会うことがあります。

今回の主役は新入荷ページで紹介したCORPS!

その話題に移る前に、個人的なお話を少々。

歳の頃20代後半、勤めていた会社を定年退職した後

個人のおもちゃ屋を開業しよう、という子供じみた、

漠然とした将来を描いておりました。

その時点で定年まで30年以上あるというのに…

妻曰く「あなたは(就職前の)二十歳のころからそんなこと

言っていた」らしいのですが、記憶にありません。

結果的に本当に店を始めましたが、それは夢の実現と言うより、

死ぬ前に持ち物を減らさないと家族に迷惑が及ぶ、という

脅迫観念の方が強かったからです。

 

ところで1980年代後半に、将来おもちゃ屋を始めようと真剣に

考え始めたきっかけはご存知の方も多いので割愛します。

その時点で何を考えたか。

数年間店を続けるために、ある程度広範囲なカテゴリーの

商品を相当数所有しておくことでした。

そして80年代後半から1994年にかけての約8年間、

人生の中で最大の狂気の時代を迎えます。

実はこの期間、通常店舗(居住が海外でしたのでトイザらスや

Kマート、ターゲット、百貨店中心)で発売される、全ての

アクションフィギュア(トランスフォーマーを除く)と、

全てのHot Wheels、Matchboxのミニカーを購入。

当時の記録によれば、この間に購入したフィギュアの総数が

約19,000体、ミニカーが約4,300台でした。

この中に本日の主役CORPS!のフィギュアが含まれます。

 

当時、現地コレクターの間でCORPS!は貧乏人のGI.Joeと

呼ばれており、コレクターから完全に無視された存在でした。

価格はJoeが円換算で単体300円ほどだったのに対し

CORPS!は単体で80~90円、2体セットで150円程度。

販路も大手玩具店ではなく、大手食品スーパーが中心。

出来の悪さ(特に顔と武器類)は今回の新入荷画像で

ご理解できるかと思いますが、当時はこんなヤツまで

買うことに意味があるのか?と後悔しつつ買い続けました。

しかもコイツ、同じフィギュアがパッケージデザインを変えて

毎年延々と売られ続けるのです。

気づいたときには所有数が200近く…

どう考えても誰も欲しがらないので、永眠候補として

倉庫最深部で眠り続けていた訳です。

コイツの入った箱が9月の倉庫大整理の際に出てきました。

店舗販売は無意味ながら捨てるに忍びなく、商売とは別に

20点を久々にイーベイに1ドル開始で出品したところ…

シングルが平均約42ドル、2体パックが平均約70ドルで

落札されて、ただただ唖然。

高額落札の理由は不明ですが、複数の落札者達のコメント

から察するに、これほど魅力のないフィギュアを未開封で

温存している人間は稀有なのかも知れません。

落札者からの要望で、追加販売もしました。

想定外の嬉しい出来事でした。

 

ですが(ここからが肝心)、嬉しい想定外はさほど多くは

ありません。

むしろ、がっかりの方が遥かに多いです。

例えばKenner社のDark Knight(DK)シリーズ。

大好きだった物で、各種4~5体購入し将来価値が上がる

と期待しました。

おそらく当時は、将来DKの価値がCORPS!の10倍以上になる

だろうと考えていたと思います。

ところが当時の売価がCorpsの6倍以上だったDKたち、

現在は欧州限定フィギュアを除き、価値はCORPS!以下

現実はこんなものですよね。

 

より悲惨な例は初期(発売から3年間ほど)のSPAWN

シリーズですかね。

当時の価格は(海外で)800円程度だったと思いますが、

現在300円でも売るのが難しい状況。

30年近く経過しても価値が下がっている、珍しい商品。

パッケージが巨大だったため、今なお処分していない友人達や

同業者にとり、最も後悔しているフィギュアと言えそうです。

 

相変わらず支離滅裂な内容になってしまいましたが、

今回申し上げたいことはただ一つ、私のような目利きでない

人間にとって皮算用はほどほどにすべき、という点です。

未曽有の金融緩和により円の価値が毀損し、日本全体が貧乏に

なった現在、現金以外の資産形成の重要性は無視できません。

自分の好きなものが資産価値を向上させるのであれば、

何よりも幸いと言えるでしょう。

私の場合は玩具コレクションによって、結果的には

会社員として得られる以上の生涯所得があり、年金生活の

年齢に達した現在、年金なしでも生活できる程度の収入を

得続けることができています。

ただし、それは単に時代が良かったということに過ぎません。

コレクション対象が膨大な種類と数量になった現在、

将来価値を予測することが一層難しくなりました。

 

最後に一つ。

玩具コレクションは保管スペース及び保管環境との

戦いになります。

自身の経験を踏まえ、その点に関しては次回ブログ

(いつになることやら)に書きたいと思います。